ホールには椅子がある。

パチンコ・パチスロ を打つ為に座る椅子、休憩コーナーで漫画を読む為の椅子、ホールによっては朝の並びで座る椅子なんてのもある。

筆者が所属する回胴連の中にホール内の休憩に使う椅子を「あぶれ椅子」と表現する選手がいるが実に秀逸なネーミングだと思う。

筆者が最も気になる椅子は一部ホールなどでは「フレンドチェア」などと呼ばれている観戦用の椅子だ。
つい最近名称を知るまでは「彼女とかが座る椅子」と呼んでいたのだが、正直なところあの椅子の意義がわからない。

パチスロ を打たない友人または彼女からしたら爆音の中それ程座り心地の良くない椅子にただひたすら座らされるというのは最早拷問だ。

ホールからしたら空き台に座られるよりは良いのかもしれないがあの椅子の存在が功を奏した事例というのは存在するのだろうか。

以前ホールで見かけたあるカップルとおぼしき2人組の話だ。

男性はドハマり、女性はフレンドチェアという位置関係で男性が台の下パネルに拳を叩きつけた。
次の瞬間女性は男性をそれこそゴミを見るような目で見つめ、黙ってフレンドチェアから姿を消した。

カップルなのだとしたら彼氏の幼稚な行動に幻滅したのだろう。
仮に友人だったとしても負けた腹いせに台を殴る人間の評価は最底辺まで落ちただろう。

台を殴った男性が悪いのであってフレンドチェアは悪くないが、この椅子が無ければこの女性は爆音の中待たされることも男性の行為に不快になることもなかったのではないかと考えさせられたエピソードだ。

パチンコ・パチスロ を打ってると目の前の台に集中してしまうこともある。

周りが見え無くなってしまうことが悪いこととは言わないが、フレンドチェアを使う場合は細心の注意を払うべきだ。

例えば連チャン中に500G乗せた瞬間、漫画喫茶1時間分の金額を手渡したりドリンクを差し入れする等が好ましいだろう。

フレンドチェア使用者にコインを詰めさせるなど言語道断だ。

そして何より、周囲の打ち手に対してのケアが重要だ。

フレンドチェアに座らせる相手が居ない者もいるという事を重々承知して頂きたい。

3000枚クラスの負けを背負っている中、フレンドチェアに美人を座らせてる光景はコインの別積み20箱以上の敗北感を与えるリーサルウェポンだ。

負けている者への福祉の心と椅子で待たされる者への配慮。
フレンドチェアを使用する方々は是非この2つを身につけていただきたい。