とある日、なかなかボーナスを引けない日がやってきた。
周りを見ていると、あるおばちゃんが若い子に目押しをお願いしている。
目押しするたびにボーナスが揃う。
その時私は思った。

自分の目押しが下手だからボーナスが揃わないんだ

台の脇にあるサンドには
「スタッフが目押しします」との掲示が(今は出来ないけれど)。
目押しをしてくれるなら頼もうじゃないか。
すぐさまランプを押してスタッフを呼ぶ。
はいはいはいと言わんばかりの顔でスタッフがやってくる。

じょ「目押しお願いします」
ス「…!?」
じょ「目押ししてもらってもいいですか?」
ス「…!?」

スタッフはそのあと微笑んで一言。

ス「ここのランプが光ったら呼んでくださいね」

ランプが光ったら!?
何を言っているか通じなかった。
そりゃそうだ。
マイゲームボーナス図柄狙ってたから
GOGOランプが光ったらボーナスってこと知らないんだもの。

おばちゃんの目押しをしていた若い子はエスパーでもなんでもなく
ランプが光って呼ばれてただけだった。
無知にも程がある。

これだけ無知な自分がジャグラーからATを打ち始めたら…
簡単に結果は想像できる。
しかも目押しもたいしてできないのに
AT中全てのリールを目押ししなければならない
「獣王」に手を出したのだ。
目押しができないものだからATに入っても小役をこぼすこぼす。

そんな時見るに見かねた隣の人が目押ししてくれた。
これをきっかけにその人から目押しを習う。
とりあえず図柄を見て、タイミングを計れと。

タイミング!タイミング!
ソウソウ、ソレデダイジョブ
オーケー
デキルヨニナッタネ

言葉と共にジェスチャーを交えてくれ
なんとか目押しが出来るように必死に教えてくれる。
その時スロットは国境を越えた気がした。
見ず知らずの日本人に優しく教えてくれた隣の人。
その人のお陰で今7が揃えられる。そう言っても過言ではない。

目押しのお礼にコーヒーあげて話すようになる。
昔はそんな繋がりが多かったように思う。
島に入れば知っている常連がいて挨拶したり、
良さそうな台を勧めてもらったり、狙いが被らないようにしたりと。
戦う相手は周りの客ではなく「店」。そんな連帯感があった。

最近はそういうのが減ったように感じる。
これも時代の流れなのであろうか。