4月 1 2015
広告宣伝規制。
いま改めてこの言葉を見ると
「どんだけ時代と逆行してんだよ!」
と笑えてしまう。
インターネットの発達で
単なる口コミやDMでしか得られなかったホール情報が
メール、掲示板、webサイト、SNSで広まるようになったところで
「ホールは自分でお客さんを煽っちゃダメです」
と情報拡散を止められてしまったわけで。
いかにこの業界が
グレーな土台の上に成り立っているかを思い知ります。
いや、少し違うかな。
このグレーであやふやな状態のままだからこそ
いつの間にかぶくぶくと膨れ上がってきた感じ。
そしてその大きくなった身体を自分自身で支えられなくなって
少しずつボロボロと剥がれ始めている。
巨体を支えていたユーザーが減り始めて
ダイエットせざるを得なくなってきた、ということかしら。
で、そんな中でも
業界の人間は生き残るためにいろいろ考える。
そのうちの一つ。
「ホール自らが宣伝できないなら、打ち手が動けばいい」
そしてこの業界では絶対的にホールが握っていたイニシアチブを
打ち手が掴むことができないか。
なぜそれが今までできなかったか。
それはまた、この業界特有の事情があるわけで。
金の勝ち負けが伴う「遊戯」で胴元は同じ、
自分以外の打ち手は敵で、金のむしり合い。
単純に言ってしまえば高設定の奪い合い。
つまり、ユーザーが手を取り合って協力する、
という動きが極端に起こりにくい世界だということ。
他の日本の「ギャンブル」と比較してもらえばいい。
基本はBET式であり、当選者の数を制限するものは無い。
(もっとも払い出し金や還元率はコントロールされているが)
少なくとも、例えば競馬で
「アイツが当たりを取ったからオレが負けた」
ということは無いし、そういった敵愾心は起こりにくい。
ホールの話に戻ると、
唯一の打ち手の意思の現れは
「出てれば集まる、出なければ行かなくなる」
だけ。
情報と心理の交錯の結果、
唯一にして最大の打ち手の主張が
「行く、行かない」
なわけである。
ただそれも、打ち手側が情報を共有して
大きな影響力と統率力を以って動いているわけでは無いので
結局のイニシアチブはホールにあることに
代わりは無い、ということ。
そして話は戻り「広告宣伝規制」。
はっきり言ってこれ自体はクソ以外の何物でもないが、
打ち手側にとってはチャンスだった。
「ホールが宣伝できないなら、
俺たちが宣伝してやろう。
ただし、いいことも悪いことも
ありのままに包み隠さず」
冒頭でインターネットの発達に触れたが
ここに絡む。
以前と違い、
個人やコミュニティの発信力と影響力が
圧倒的に大きくなったのだ。
回胴連の第一段階としては
ブログを中心とした
パチスロ好きコミュニティの結成だった。
だがその先の目的には、
打ち手が発言力を強めた
ホール・メーカー・ユーザーの新たな関係の構築がある。
回胴連は「試合会場」という名のホールを指名する。
ただ無責任に
「俺たち行くから、よろしくな」
と勝手に撒き散らしているわけでは無い。
それはしっかりとした法人が立っての動きであって、
ホールの広告宣伝を担う、
まさに広告代理店の責を担っているのだ。
そして打ち手は「試合会場」に向かう。
遊びたい、勝ちたいの欲求を満たすために。
その上で打ち手の反応が、この仕組みのジャッジを行う。
さすがに打ち手も、
ホールが慈善事業ではないことは分かっているので
個人で勝ち負けが分かれることくらいは理解している。
ただその上で、打ちに行く価値のあるホールだったか。
出玉は見えたか、高設定の挙動はあったか、
ホスピタリティがあったか、そこにホールの意思はあったか。
ただ昨今のパチスロは本当に設定判別は難しく、
設定が出玉に反映されにくい。
もちろん大数の法則としておしなべれば
ホール経営視点では反映されていくが、
打ち手側は毎日打つ専業でも無い限り、それは感じにくいのだ。
ここら辺に、また広告宣伝規制のクソさがまとわりつく。
営業中や営業後の設定発表を禁じられたのは
本当に痛い。
自分の店の商品の確かさをアピールできない商売とか、
普通に考えてありえないわけであって。
でも
遊戯という名のギャンブルなわけであったり、
グレーだからこそ成り立っている側面があったり、
規制されているからこそ情報が貴重であったり、
誰もが得られる情報の裏にこそ、
真の価値を持つ情報があったり。
実のところ、
話はそうそう単純なわけではないのだ。
フラフラっと打ちに行く場合でも、
気合を入れて攻める場合でも、
そんなことを理解していくと風景が多少変わって見える。
打ち手の我々には
「店に行くか行かないか」
「打つか打たないか」
しかできないのだけど、それはとてつもない力を持っている。
ホールが「試合会場」になるというのは
ある意味、晒されるということ。
打ちに行ったら、是非率直な思いを
ブログなどで発信して欲しい。
今なら、今の時代なら、それは十分な影響力がある。