4号機の頃に大変お世話になっていたホールがある。友人が根城にしていたホールで、誰にも言わない・・・仲間内にも言わない約束で何故か私にだけ教えてくれた。

そのお店は普段から設定発表をしているホールで、稼働がお世辞にも高いとは言えないのに通常時に”普通に”6が置いてあった。

立地はそれほど悪くはなかったが、等価ではなかったし(6枚交換)、台間の幅は私が今まで行ったホールの中で1番と言っていいほどの狭さだったのが、稼働が高くなかった理由だったのかもしれない(門前仲町にある「バンビ」より狭かった)。

その当時私はフリーライターをやっていた事もあり、特日には必ずスケジュール調整をしてお邪魔させてもらっていた。

特日に限らず特定の時間になると設定確認が出来るホールではあったが、私は最初こそ確認したが途中から確認しなくなった。設定6を掴んでいるのであれば設定確認の時間が勿体無いというのが主な理由ではあったが、設定確認をしなくなった理由は他にもあった。台を開けるのは非常に手間だし、私はこの店を信用しているよ、という無言のメッセージだった。それは私なりのホールへの礼儀と配慮だった。

 

 

特日に朝8時頃から並んでいたのは私1人。この状態が半月以上続いていたと思う。寒い日も暑い日も私1人。そんな中、店長は朝並んでいる私を見るなり、必ずといっていいほど缶コーヒーを買ってきてくれた。「朝早くからありがとうね」という声と共に。優しさが身に染みた。

その店長さんは優しすぎるというか正直者というか、特日になると台の様子を現場に出て視認しに来ていた。出てないと様子を見に来る頻度が多くなり、視線の先に当たりが見えた。だから、私は特日にはいつも店長の動向を見ていた。全体的に台が反応していない時に店長と目が合うと、照れくさそうな場が悪そうな何とも言えない表情をしていたのを今でも覚えている。

閑古鳥とは言わないまでもそれほど稼働が多くないホールでツキイチの特日(2日間連続)には7割、8割の確率で何らかしらの設定6には座らせてもらっていた。そのため、私より来店頻度が高い常連さんがいる時や、そのお店を教えてくれた友達がいる時は、例えばストック機の天国が落ちていたり、猛獣王の天井付近が落ちていても敢えて打たなかった。おじいちゃんが止めそうなら、もう少し打った方がいいよとも言っていた。

少し前にこのホールの近くで仕事があったので帰り際に覗いてみた。悲しいかな。シャッターが閉まっていた。

多くの若者がこの店の特日が強いというのを嗅ぎ出してから私はこの店に行かなくなった。友達に聞いた話だと、暫くしてから店長が変わったと聞いた。

2000年前後に「アバンザ本郷」で店長を務めていたぽっちゃり体型の店長さん。今どこで何をされているかは分かりません。ひょっとしたら業界から離れられているかもしれません。けれども、私はあなたのこともこのお店も忘れません。本当にありがとうございました。