中途半端なエロスは要らない

6月12日、『アダルトVRフェスタ01』なるイベントが秋葉原で開催された。
ヘッドマウントディスプレイと連動して体の一部を刺激するデバイス等が体験・展示されるイベントだそうで、超満員による運営難から急遽打ち切られた事がネットニュースで話題になっていた。

人類の技術はエロスと共に進歩してきた。

ハッキリ言おう。

人間は男女関係なくエロが好きである。

筆者自身大好きである。
中学生当時、「フェラーリ」等の単語を女子に言わせてニヤニヤして楽しむというゴミの様な青春を送っていたのは今もハッキリ覚えている。

しかし、いくら好きとはいえ何でもかんでもエロに結び付ければ良いというものでは無い。

パチスロもそうだ。

「萌えスロコーナー」と銘打って特定のニュアンスを持った台を固めて設置しているホールもあるが、どうにもベクトルが違う気がしてならない。

筆者自身「萌え」と言うものに関して造詣は深く無いが、その道を本職としている知人は「特定の物に対する好意に似たなんとも表現が難しいもの」の総称と解釈しているそうだ。

知人が萌えに関して語っている時の生まれたての仔猫を愛でるかの様な表情のインパクトが強過ぎて細かい事は覚えていないが、少なくとも萌え=エロスではないという事だけは理解できた。

知人の解釈が正しいかどうかはハッキリしないが、上記の解釈を現状の萌えスロコーナーに当てはめた場合に合致するかと言えば否だ。

一言で表現するならば、あざといのだ。

思わせぶりな発言やポーズ、必要以上に派手に揺れる胸。

メーカーはこれらを演出に盛り込んで果たして何を主張したいのだろうか。
打ち手に対して間違った媚びの売り方をしてると言って良いだろう。

少なくとも台としての人気とエロスが直結するとは思えない。

近年ヒットした台を振り返ればその理由がわかるだろう。
大概は通常時、男が歩いているか座っているだけの台が流行っている。

あざといエロスを演出に盛り込んで大ヒットした例は殆どないのではなかろうか。

とはいえ、エロスを完全撤廃する事が是なのかというとこれもまた否だ。

ドロロンえん魔くん、初代シンデレラブレイド。
この2機種は完全にメーターを振り切っている。

初代シンデレラブレイドで液晶に夢中になり過ぎて気付けば下皿のメダルが溢れかえってるという経験をした方もいるのではなかろうか。

えん魔くんに至っては最早笑うしかない。

どちらの台も高純増機ではない。
比較的低純増の部類に入るART機だ。

液晶演出とゲーム性。
出玉を忘れてこれらに夢中になれる台と言うのは昨今では稀有だろう。
打ち手に媚を売る訳でもなく、ゲーム性のキモにエロスを持ってきている。
この2機種の製作チームはある種の天才集団だ。

各メーカーは今後もエロスを盛り込んだ台を作るのであれば、NETとKPEから上記2機種の製作チームを顧問として招聘する事を検討してみてはいかがだろうか。

余談だが、冒頭で触れたアダルトVRフェスタは8月に大規模な会場で第2回が開催されるそうだ。

実に興味深い話である。